給与計算には、所得税(源泉徴収)・住民税・社会保険などの知識が必要となります。また、勤怠管理にあたっては、労働関係法令違反にとわれないための最低限のケアも必要です。
給与計算ソフトを導入すべきか否かなど、人員体制や誰が役員報酬や従業員の給与を計算・支給・給与明細書交付に関する事務を行うかにより、その対応方法が異なってきます。
給与計算に必要となる資料
給与や役員報酬を計算するにあたっては、概ね下記の資料を揃えておく必要があります。
- タイムカードその他の勤怠記入表(給与台帳)
- 該当年度用の源泉徴収税額表
- 住民税決定通知書(毎年5~6月に自治体から届く)
- 該当年度用の保険額表
- 扶養控除等(異動)申告書
- 税務上の通勤交通費非課税限度額
上記の資料を用いた給与計算は、下記の法令に基づき行いますので正しく理解すること大切です。
給与計算に関係する諸法令
1. 所得税法・・・毎月給与から天引きする源泉徴収のやり方が規定されています
2. 労働基準法・・・勤怠管理に必要な労働時間・休憩・休日などの概念が規定されています。
3. 社会保険各法・・・健康保険、介護保険、厚生年金各保険につき規定されています。
4. 労働保険各法・・・労災保険と雇用保険が規定されていますが、労災保険料は全額雇用主負担です。
給与計算の会計処理の方法
給与計算と給与の経費計上は、以下の手順・流れで進めます。
1. 給与台帳の給与総額(非課税通勤費を除く)から役員・従業員が毎月負担する健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料を控除した金額を出す2. 源泉徴収税額表を用いて当月分の源泉徴収税額を求める
3. 上記1.の金額から2.の源泉徴収税額や住民税を控除して、振込みをする手取り金額を計算する
4. 簿記の複合仕訳(経費、支出や預り金をひとかたまりで仕訳)などを使って、会計処理をおこなう
給与計算ソフトは用意すべき?
従業員が10人未満の少ない企業については、エクセルシートを給与台帳として支給額を計算し、給与明細書のひな形を利用して紙で各従業員に配布する方法がとられることが多いです。また、給与計算を会計事務所などに外注するケースも多く見られます。
経理担当者がいる事業所については、給与計算ソフト使用には下記のメリットがありますので、積極的に導入を検討することをお勧めします。
・社会保険料の料率の改正などによる計算間違いが起こりにくい
・会計ソフト連動型を選べば、給与計算に関する仕訳を自動化できる
・年末調整時のデータ集計がスムーズにできる ,etc.